「持てば使いたくなる 危ないものも」というカレンダーの言葉と、 正信偈の「善導独明仏正意」の部分、 そして二河白道の絵をご縁にすすめられました。 二河白道の絵は私たちの心の中が描かれているそうです。 真ん中には人が一人描かれているのですが、 お浄土へとのびる細い道は火の河と水の河に挟まれ、 後ろからは蛇や鬼が追いかけてくる八方ふさがりの状態です。 そしてその人の横には仏さまの絵が描かれています。 もし後ろを振り返り、蛇や鬼と戦ったとすると、 勝った場合は周りで苦しんでいる人を見下してしまい、負けた場合は全く救いがない。 使いたくなる危ないものとは、必ずしも武器のことをいっているわけではなく、 こうした私たちの心の中のことを言っているのではないか。 そうではなく心細く思えてもお浄土への道を歩んでいこうとおっしゃった善導大師のことを、 親鸞聖人は「仏の心を明かされた」とおっしゃられたそうです。 その道には前を歩かれる私たちの仲間の足跡が残り、 顔を上げれば共に歩く仲間が見えてくる。 私たちの暮らしは決して良いことばかりではなく、 もしかしたら苦しいこと、悲しいこと、 思い通りにならないことの方がずっと多いのが現実ですが、 そんな時に共に歩く仲間の存在を感じることが出来たなら、 どんなに心強いでしょう。 それが自分自身と向き合う勇気を与えてくれるのではないかと思いながら聞きました。 |